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自然と向き合うということ|野生動物へのストレス

4 時間前
読了時間: 5分

 こんにちは。沖縄フィールドノート管理者の修斗です。

 朝夕は涼しくなり、各地でサシバをはじめとする渡り鳥たちの姿が観察できるようになりました。秋の訪れを感じる今日この頃です。

 個人的には、本業の仕事が忙しく、なかなかフィールドに出られない日々が続いています。生き物たちとの出会いや写真撮影が良い気分転換になっていることもあり、思うように観察に出かけられないことに、少しストレスを感じる日々です。

 さて、今回は「ストレス」をテーマに、フィールドで生き物を観察したり、写真を撮影したりする際、私たち人間が野生動物にどのような影響を与えているのかについて、個人的な考えをお話ししたいと思います。


人間の存在が野生動物に与える影響

 まず、人間の存在が野生動物に与える影響について考えてみたいと思います。

人に慣れている個体を除き、多くの野生動物は人間が近づくことで警戒し、普段とは異なる行動を取ることがあります。例えば、その場から逃げたり、採餌を中断したり、休息場所を変えたりすることもあります。こうした行動の変化は、採餌や休息、繁殖など、生き物たちの日常生活に影響を与える可能性があります。

 私たち人間にとっては何気ない観察や接近であっても、生き物たちにとっては大きな負担になっているかもしれません。


写真撮影が野生動物に与える影響

 生き物の写真を撮影していると、「もう少し近くで撮りたい」「もう一枚撮りたい」「もう少し粘って撮影したい」といった気持ちが生まれることがあります。

 しかし、そうした自分の気持ちを優先するあまり、知らず知らずのうちに被写体を追い続けたり、必要以上に近づいたりしていないでしょうか。

 また、繁殖期や子育て中の生き物に不用意に接近していないか、撮影者側の都合を優先してしまっていないか、一度立ち止まって考えることも大切だと思います。

 良い写真を撮りたいという気持ちは自然なことです。しかし、そのために生き物たちへ負担をかけてしまっては、本来の自然観察や撮影のあり方から離れてしまうのではないでしょうか。


樹木で休息中のヤンバルクイナ
樹木で休息中のヤンバルクイナ

私がフィールドで意識していること

 次に、私が普段フィールドで生き物を観察したり、写真を撮影したりする際に意識していることを紹介したいと思います。

 野生動物と向き合ううえで、私が特に気をつけているのは、次の6つです。

① 生き物との距離を十分に保つ

 撮影したい気持ちがあっても、必要以上に近づかないことを意識しています。生き物が警戒する様子を見せた場合は、無理に距離を縮めないようにしています。

② 生き物の行動や様子をよく観察する

 殖行動や採餌行動、休息など、今どのような行動をしているのかを確認するようにしています。特に、普段と異なる動きや警戒する様子がないか、注意を払っています。

③ 繁殖地や縄張りに不用意に立ち入らない

 繁殖地や巣の周辺、縄張りなどに不用意に近づかないことも大切です。自分が立っている場所や撮影位置が、生き物たちの生活を妨げていないか意識するようにしています。

④ 生き物の逃げ道を塞がない

 生き物が移動したり、逃げたりできる方向を確保することも重要です。追い詰めるような位置取りや、逃げ場をなくすような接近は避けるようにしています。

⑤ 撮影できなくても無理に追いかけない

 必ずしも毎回満足のいく写真が撮れるとは限りません。撮影できなかったとしても、それは仕方のないことです。生き物に負担をかけてまで撮影する必要はないと考えています。

⑥ 撮影機材や編集技術を活用する

 私自身、撮影する際には「生き物に近づいて良い写真を撮るのではなく、距離を保ちながら良い写真を残す」ということを意識しています。

 望遠レンズなどの撮影機材や、撮影後の編集技術を上手に活用することで、生き物との距離を保ちながら、その自然な姿を写真に残すことができると考えています。

 良い写真を撮ることも大切ですが、それ以上に、生き物たちの生活や行動を妨げないことを大切にしていきたいと思っています。


集落内を散歩中のヤンバルクイナ
集落内を散歩中のヤンバルクイナ

良い写真を撮ることだけが目的ではない

 私は、写真の出来栄えだけがフィールド活動の価値ではないと思っています。

 撮影した写真がフォトコンテストで入賞したり、SNSで多くの反響をいただいたりすることは、撮影者として当然嬉しいことです。自分が撮影した写真を誰かに見てもらい、評価してもらえることも、写真を続けるうえでの大きな励みになります。

 一方で、個人的には、生き物たちが自然の中で過ごす姿を観察することにも大きな意味があると考えています。必ずしも満足のいく写真が撮れるとは限りません。それでも、その場所でしか出会えない生き物を観察できたこと、普段は見ることのできない自然な行動を目にすることができたこと自体に価値があると思います。

 また、自然を観察し、写真として記録するだけでなく、生き物たちが暮らす環境を守ることも、自然を記録する私たちの大切な役割ではないでしょうか。

 写真を残すことと同じくらい、生き物たちがこれからも安心して暮らせる自然環境を大切にしていきたいと思います。

おわりに

 野生動物の観察や写真撮影は、普段なかなか見ることのできない生き物たちの姿や、自然の営みを知ることができる魅力的な活動です。

 一方で、私たち人間の行動が生き物たちに少なからず影響を与えていることも忘れてはいけないと思います。

 良い写真を撮りたいという気持ちは、これからも変わらないと思います。しかし、その気持ち以上に、生き物たちの暮らしや自然環境への配慮を大切にしていきたいと考えています。

 これからも野生動物との適切な距離を保ちながら、沖縄の豊かな自然や、そこで暮らす生き物たちの姿を写真とともに記録していきたいと思います。



 
 
 

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